シンチロメータ LAS / X-LAS

概要
シンチロメーター(LAS,XLAS)は送信機から数km離れた受信機に光を発信して屈折率パラメーターである構造関数定数(Cn2)を測定する装置です。他の気象データ(気温、風速、気圧)とともに利用することで顕熱フラックスを得られます。

特徴
LASは数km離れた送信機と受信機を使って構造関数定数(Cn2)を測定します。従来のポイント測定ではなく数値モデルの格子サイズや衛星画像の解像度に匹敵する空間スケールデータを得ることができ、気象学、水文学、温暖化対策に活用できます。顕熱フラックスは水の蒸発とも関係しているためLASはエネルギーバランスや水循環の計算にも役立てられます。
シンチロメーターは低消費電力で遠隔地での測定に最適です。頑強な構造のため長期間の測定が可能でメンテナンスが少なくて済みます。LAS,X-LASともに出力はアナログ信号でデータロガーに直接つなぐことも可能です(2ch使用)。

原理
シンチロメーターは送信されたレーザーの強度変動(シンチレーション)を測定しています。この物理量は構造関数定数(Cn2)としてパラメーター化されて大気の乱流状態を表し、熱と水蒸気の移動に深い関連性を持っています。
LASとX-LASは近赤外の光(880nm)を送信して構造関数定数(CN2)と他の気象データ(風速、気温、気圧)を取得することで数kmという広範囲の顕熱フラックスを測定することが可能になります

ソフトウェア
記録された構造関数定数(Cn2)は付属ソフトWINLASで処理することができます。Windows対応ソフトで風速、気温、気圧を利して顕熱フラックスを計算することができます。WINLASではデータファイルと結果を表示することができます。またオプションでEVATIONという高機能ソフトを利用することもできます。EVATIONではKipp&Zonenの水蒸気循環システムを解析することができるようになります。ソフト画面にもこれらの値表示して視覚的に測定環境を捉えることができるようになりました。






シンチレーション

大気中での光の屈折率のパラメーターを決定するシンチレーション測定は電磁波の伝播を基にしています。電磁波が乱流の中を伝播するときにはいろいろな原因で伝播が歪められます。その際にエネルギーも奪われます。こうして光の屈折率パラメーターが気温、湿度などの小さな変動に敏感に対応します。この光の屈折パラメーター変動のことをシンチレーションと呼びます。

測定例
上図は雲のある晴れた日にLASで測定した構造関数定数(Cn2)の時系列データです。日出と日没の時に値の落ち込みが明瞭です。この時間帯を境に大気は安定状態(夜間)と不安定状態(日中)を繰り返しています。

LASを使って求めた構造関数定数(Cn2)から顕熱フラックスは気温と風速からソフトウェアWINLASを利用して求められます。放射量と土壌中の熱量がわかればLASのデータから間接的に水分の蒸発量が求められます。
こうして毎日の平均的な水の蒸発を測定することが出来ます。

光軸調整
送信機と受信機は安定した場所に正対して設置することが重要になります。LAS,X-LASともに特殊な機能と望遠鏡によってユーザーは容易に設置することが可能です。レーザー出力は距離に適切に対応します。こうした操作も画面上で確認することができます。





仕様

    LAS X-LAS
受信距離 0.25〜>4.5km 1〜>8km
口径 0.152m 0.328m
レンズ フレネルレンズ フレネルレンズ
LED光源 880nm 880nm
LED出力 80mW 80mW(最大)
周波数 7kHz(0.5負荷サイクル) 7kHz(0.5負荷サイクル)
電源 12VDC 12VDC
消費電流 最大0.5A(最大3Aヒーター作動時) 最大0.5A(最大1.7Aヒーター作動時)
キャリブレーション 有り 有り
光軸調整機能 有り 有り
仕様環境温度 -20℃〜+50℃ -20℃〜+50℃
寸法 0.35x0.23x0.32m 1.04x0.43x0.57m
重量 13.5kg 30kg